第4世代GS日米欧対抗戦レポート(VGC '10 International Battle Report)
明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。
さて今年一発目は、昨年末行われた第4GS日米欧対抗戦に主催の勝海さんにお声掛け頂き日本代表として参加してきましたので、そこで使用した構築や対戦の様子を記事にしたいと思います。
(詳細:http://d.hatena.ne.jp/koredekatsumiru1/20121225)
クレセリアグラードンかトゲキッスカイオーガの使用を考えていましたが、クレセグラは風流さん、キッスオーガは勝海さんがそれぞれ使いそうなこともあり、自分はホウオウルンパッパを使用することにしました。
ポケモン | 技1 | 技2 | 技3 | 技4 | 持ち物 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
ホウオウ | 守る | 身代わり | 聖なる炎 | ブレイブバード | 食べ残し | 先発 |
ルンパッパ | 守る | 猫騙し | 草結び | 凍える風 | ラムの実 | 先発 |
パルキア | 守る | 亜空切断 | ハイドロポンプ | 電磁波 | ハバンの実 | 後発 |
バンギラス | 守る | 岩雪崩 | 噛み砕く | 蹴手繰り | ヨプの実 | 後発 |
ホウオウルンパは後ろに補完としてパルキアとバンギラスを置くことでそれぞれが横に並んでも縦に並んでも相性を補完し合っていて美しく、GSルールでは珍しい全国ダブルのようなアドバンテージを少しずつ稼いでいく安定した動きが出来るパーティなので個人的に気に入っています。
何の変哲も無いホウオウルンパですが、GSルールをご存知無い方にもわかるように個別に紹介しておきます。
■ホウオウ
陽気 208-150-110-*-180-156
ホウオウはバンギラス以外の一般枠ポケモンに異様に強く、伝説枠ともそこそこ渡り合うことが出来るのが特徴です。一貫しやすい吹雪に耐性がある点も評価できます。
ルンパッパの猫騙しとシナジーし、自身が得意なポケモンに対し徹底的に強くなれる身代わり+食べ残しという構成。
時には特性のプレッシャーを活かし、守る+身代わりで相手のPPを枯らしにいくといった事も可能です。
【備考】
H:16n
A:無振り(ブレイブバードで無振りカイオーガやパルキア確定2発)
D:C156ルンパッパの雨ハイドロポンプ確定耐え
S:最速
■ルンパッパ
穏やか 175-81-91-116-139-122
ルンパッパはホウオウが苦手なカイオーガを補完し、猫騙しでホウオウの身代わり展開をサポートします。
守る・猫騙し・草結びときて最後の枠に宿り木の種を搭載するのが一般的だと思われますが、パーティ全体が中速気味で相手のゴウカザルやパルキアあたりに苦労するので凍える風を入れることで誤魔化すという形を取っています。
ラムの実+凍える風で相手の初手ドーブルに対しても割と安定して立ち回ることが出来るようにもなるので、ホウオウルンパのルンパッパには凍える風を優先して採用していきたいと感じました。
配分については当時流行っていた一般的なもの(実数値:177-*-95-113-136-122)ではHPが177で天候ダメージが多くなってしまうのが気になったのでHP175と最速を確保した上で新たに配分を練り直しました。
カイオーガに対するダメージをアップさせたことと、対ヌケニンよりも対パルキアを重視した耐久となっていることが特徴です。
【備考】
H:16n-1
B:A156ヌケニンのシザークロス高乱数耐え(71.8%)
C:草結びでH207-D161カイオーガ高乱数2発(90.5%)
D:C222カイオーガの雷確定2発耐え C182パルキアの亜空切断高乱数2発耐え(99.67%)
S:補正なし最速(すいすい発動で臆病スカーフカイオーガを抜ける・凍える風込みで最速115族抜き)
■パルキア
臆病 185-*-121-182-141-167
ルンパッパだけではカイオーガに対し不安が残るのでもう1体の伝説枠にパルキアを採用。
パルキアは素早さ90族が多い禁止伝説枠の中で素早さ種族値が100である上弱点がドラゴンのみであり、そこにハバンの実を持たせることで即死を防いでほぼ確実に1回行動出来るのでとても安定した存在です。
守ると主力の亜空切断、ホウオウ・バンギラス・メタグロスに対する素早い打点としてハイドロポンプ、最後は雷と悩みましたが、パーティ全体の足の遅さを補える電磁波にしました。
配分は当時流行っていた物凄く有名なものです。このルールは地震が一貫しやすく、後出しからグラードンを誤魔化したい場面が多いため後発に置くならこのラインの耐久は欲しいと思いました。
【備考】
B:A222グラードンの2段階上昇地震を確定耐え
C:亜空切断でH155-D131ラティオス確定1発 (雷でH207-D160カイオーガ確定2発)
ハイドロポンプでC222カイオーガの雨潮吹き確定耐えメタグロス(185-134)確定2発
非晴れ下のハイドロポンプで無補正D極振りグラードンをハイドロポンプで高乱数1発(92.3%)
D:ハバンの実込みでC182拘り眼鏡流星群確定耐え
S:最速
■バンギラス
意地っ張り 207-183-133-*-135-84
GSルールのバンギラスは天候書き換えを行えるのは勿論、不足しがちなルギア・ホウオウ・ギラティナへの打点の確保、受けにくいディアルガやギラティナに対し割と安定して繰り出せる等といった伝説ポケモンとも渡り合える非常に高いスペックを持っています。
技4つと持ち物はこれで間違いないでしょう。
素早さは同族に先手を取る確率を上げつつトリックルーム下で動きやすい84に設定しました。
ちなみに先発の補完として後発にパルキアとバンギラスを置く事はホウオウルンパに限らず多くの構築で見られる現象です。
【備考】
A:ダブルダメージ岩雪崩でH207-B111ホウオウ確定1発 マニューラは天候ダメージ込で確定
噛み砕く+天候ダメージ×2で無振りミュウツーを超高乱数
B:A205メタグロスのコメットパンチ確定耐え ヨプの実込みでA173ドクロッグの蹴手繰りを高乱数耐え(92.3%)
D:C202拘り眼鏡流星群1.5発高乱数耐え(92.3%) 砂嵐下でC202カイオーガのシングルダメージ潮吹き確定耐え
S:最遅90族(実数値85)抜かれ=トリックルーム下で最遅90族抜き
ホウオウルンパはホウオウが苦手とする相手の対策をルンパッパに依存しているので、それを止めてくるトゲキッス+伝説枠という組み合わせが大の苦手です。
他にはゴウカザルパルキア(サルキア)に対しても常に後手後手になって厳しい。
これらの組み合わせに対しては例えば相手のカイオーガが潮吹きをしてきたらパルキアで、雷だった場合はバンギラスで受けに行く等、守るで相手の使う技を見てからそれに応じて行動して繋いでいくしかなさそうです。
対戦ログ(Battle Log)
アメリカ代表とヨーロッパ代表の2名と対戦を行いました。
詳細は続きからどうぞ。
vs Cybertron(アメリカ)
シニア時代に大会を総ナメし、マスターカテゴリに上がってもなおアメリカ地方予選で優勝するようなトッププレイヤーとの対戦です。
相手パーティ 先発:クレセリア・ハリテヤマ 後発:ディアルガ・カイオーガ
タッツーさんが動画を上げてくださいました。
バトルビデオ:83-49091-74008
1T:ハリテヤマ→ディアルガ ルンパッパ:猫騙し→ディアルガ ホウオウ:身代わり クレセリア:トリックルーム
クレセリアに向かって猫騙しをしてトリックルーム発動を防ぎに行くのが定石だと思いますが、ここはあえてハリテヤマ方向にルンパッパで猫騙し。
相手のクレセリアはホウオウの身代わりを割る手段がない事が大半なので、ホウオウの身代わりを確実に残せるアドバンテージ重視のプレイングをしました。
2T:クレセリア→カイオーガ ルンパッパ→バンギラス ディアルガ:雷(外れ) ホウオウ:聖なる炎→ディアルガ
ディアルガの攻撃をバンギラスで受けにいきます。
相手はカイオーガで雨にしてディアルガで雷を撃って来ましたが、相手が先にカイオーガに交換してその後にこちらがバンギラスに交換したので天候が砂嵐になり、雷が外れてくれてラッキー。
3T:バンギラス:守る カイオーガ:潮吹き ホウオウの身代わり破壊 ディアルガ:龍の波動→ホウオウ ホウオウ:ブレイブバード→カイオーガ
ホウオウで相手のカイオーガの体力を削りに行って潮吹きのダメージを抑えに行きます。
トリックルームを絡めたカイオーガの技構成は守る・潮吹き・雷・氷技という構成が多い為、体力を削ってしまえばカイオーガの前でもバンギラスが動きやすくなれることを期待した行動です。
4T:ディアルガ→クレセリア カイオーガ→ハリテヤマ ホウオウ→ルンパッパ バンギラス:蹴手繰り→クレセリア ハリテヤマ:火炎玉発動
ホウオウを温存したいのでカイオーガの攻撃を受ける為にルンパッパ交代で凌ぎつつバンギラスの蹴手繰りでディアルガに攻撃。
しかし読まれてしまったのか両交換されて面倒な事に。
5T:ハリテヤマ:猫騙し→バンギラス ルンパッパ:猫騙し→ハリテヤマ ハリテヤマ:怯み バンギラス:怯み クレセリア:サイコキネシス→ルンパッパ トリックルームの効果が切れる
ハリテヤマの行動を防げるようにルンパッパで猫騙ししつつバンギラスでクレセリアを削りに行くが、相手もやはりバンギラスに猫騙し。
6T:ルンパッパ:草結び→ハリテヤマ バンギラス:岩雪崩 ハリテヤマ:蹴手繰り→バンギラス バンギラス落ち クレセリア:トリックルーム ハリテヤマ:火傷と砂ダメージで落ち 相手死に出しカイオーガ こちら死に出しパルキア
ハリテヤマを迅速に処理したいためルンパッパで草結び、怯み祈願でバンギラスに岩雪崩を使わせます。
ハリテヤマを怯ませてこちら2体共生存させるか、クレセリアを怯ませてトリックルーム発動を防ぐかのどちらか一方でも発生してくれれば楽でしたがどちらも怯まず。
この後の展開でバンギラスがすごく欲しいと思ったのでホウオウを捨ててバンギラスを温存した方が良かったかなとも思いましたが、よく考えてみるとここでハリテヤマを倒すorトリックルームを防がなければトリックルーム下のハリテヤマに苦労するのでバンギラスを居座らせて攻撃させたのは間違いではなかったのかもしれません。
ルンパッパの草結びで予想以上に削れたので結果論ではハリテヤマにバンギラスで蹴手繰りが正解だったでしょうか。
7T:カイオーガ:雷→ルンパッパ クレセリア:光の壁 パルキア:ハイドロポンプ→クレセリア クレセリア:オボンの実で回復 ルンパッパ:草結び→カイオーガ
雨状態なのでパルキアのハイドロポンプでクレセリアを、ルンパッパの草結びでカイオーガをそれぞれ倒せるはずが、クレセリアに光の壁を使われて全ての計算が狂いました。
8T:ルンパッパ:守る カイオーガ:雷→ルンパッパ クレセリア:サイコキネシス パルキア:亜空切断→カイオーガ カイオーガ落ち 相手死に出しディアルガ
時間稼ぎにルンパッパを守らせてパルキアでカイオーガを倒しにかかります。
9T:クレセリア:サイコキネシス→ルンパッパ ルンパッパ落ち ディアルガ:龍の波動→パルキア ハバンの実発動 パルキア:亜空切断→ディアルガ こちら死に出しホウオウ
トリックルームが切れた後にディアルガを縛れるようにパルキアで削っておきます。
10T:ホウオウ:守る パルキア:守る クレセリア:トリックルーム ディアルガ:トリックルーム
トリックルーム最終ターンなので両守るして次のターンディアルガに守るが無ければディアルガを集中して勝ち…と思いきやそれを完全に読まれてダブルトリックルームを決められ、トリックルーム状態を維持されてしまいこの時点でほぼ負けが確定。
11T:クレセリア:サイコキネシス→パルキア ディアルガ:雷→ホウオウ ホウオウ落ち パルキア:亜空切断→ディアルガ
12T:パルキア:守る クレセリア:サイコキネシス→パルキア ディアルガ:龍の波動→パルキア
13T:パルキア:守る(失敗) クレセリア:光の壁 ディアルガ:龍の波動→パルキア パルキア落ち 負け
中盤くらいまでは有利に試合運び出来ていたはずが、光の壁とダブルトリックルームが原因で敗北。相手が完全に一枚上手でした。
ここまで綺麗に負けると清々しいですねw
DOUBLE TRICK ROOM and LIGHT SCREEN is GOD!!!!!
vs Zog(ヨーロッパ)
相手パーティ 先発:ラティオス・ルンパッパ 後発:ホウオウ・パルキア
バトルビデオ:35-31886-72964
1T:こちらルンパッパ:猫騙し→ラティオス 相手ルンパッパ:猫騙し→ホウオウ ラティオス:怯み ホウオウ:怯み
相手は猫騙しでホウオウを怯ませてくると思うのでこちらもラティオスを怯ませてルンパッパがラティオスの攻撃を受けないようにします。
2T:こちらルンパッパ→バンギラス ラティオス:サイコキネシス→ホウオウ(命の珠) ホウオウ:ブレイブバード→相手ルンパッパ 相手ルンパッパ落ち 相手死に出しホウオウ
ラティオスをバンギラスで受けにいって相手ルンパッパ方向に交換されることを覚悟でブレイブバード。
相手のルンパッパが居座ったので落とすことが出来ました。
3T:相手ホウオウ:地震 ラティオス:流星群→バンギラス こちらホウオウ:ブレイブバード→ラティオス ラティオス落ち バンギラス:岩雪崩 相手ホウオウ落ち 相手死に出しパルキア
相手はバンギラスを集中で落とそうとしてきましたが、耐えて反撃で2体とも落とすことが出来ました。
ラティオスが草結びを持っていたら恐らく落ちていたので危なかったです。
4T:パルキア:亜空切断→ホウオウ ホウオウ落ち バンギラス:噛み砕く→パルキア こちら死に出しパルキア
5T:こちらパルキア:亜空切断→相手パルキア ハバンの実発動 相手パルキア:亜空切断→バンギラス バンギラス落ち 砂ダメージで相手パルキア落ち 勝ち
こちらのホウオウとバンギラスが相手に刺さり気味で終始有利に立ち回ることが出来ました。
個人1-1、チームとしてはアメリカに負け・ヨーロッパに勝ちでこちらも1-1ということで日本は2位という結果に終わりました。
対アメリカでは自分が負けてしまったせいでチームとしての負けも決定してしまい申し訳なく思います。
結果はともかくとして、海外の強者と対戦するという貴重な体験が出来て本当に楽しかったです。
対戦して頂いた海外勢の皆さん、ツイキャスを視聴して下さった皆さん、そしてお声掛け頂いた主催の風流さん・勝海さんありがとうございました。
ツイキャスでの配信には多くの方に来て頂いたのでこれを機に第四世代GSルールを始める方が増えるといいなと思います。
GSは4体用意すれば見せ合いなしですぐ対戦を始められるし、第五世代対戦の息抜きにもなって気軽に楽しめるので、第4世代を知らない方やシングルしかやらないという方にもオススメしたいルールです。
今回の対戦会でGSに少しでも興味が湧いたという方は色周回して通常色余らせてるような人から禁止伝説を搾取してぜひ始めましょう!
Thank you for the great game!